法華経の教えで人々を救おうとした日蓮聖人
身延山久遠寺に息づく日蓮の信仰と想い
山深く、清らかな空気に包まれる身延山久遠寺。この地は、日蓮宗の総本山として知られる、日蓮聖人ゆかりの聖地です。1274年、法華経の教えを世に広めた日蓮聖人が自ら選び、入山して晩年を過ごしたこの寺院には、凛とした信仰の念が今も満ちています。
大伽藍はまるで大海のような厳かさ。総門をくぐれば、その先に続く石段、五重塔、本堂――一歩ごとに、日蓮聖人の祈りの声が優しく響くかのようです。法華経を柱とし、人々の苦しみを救った日蓮の精神。それを今なお守り継ぐ久遠寺の空気は、まさに「祈りの原点」に身をおくような感覚を味わわせてくれます。
圧巻！287段の石段を上りきる、久遠寺参道の魅力
身延山久遠寺へと続く参道の象徴が、日本一とも称される287段もの石段。その存在感には圧倒されます。両脇には樹齢数百年の杉、そして春には枝垂れ桜がトンネルとなって参拝者を包み込んでくれます。急な石段を一歩ずつ踏みしめると、雑念が消えていくような気持ちに。途中でひと息ついて下界をふり返れば、山門の向こうに身延の町並みと山々の絶景が。ご利益を願いながら最後の一段を登ったとき、なにか特別な達成感が胸に広がります。
絶景！身延山久遠寺の枝垂れ桜と春の彩り
身延山久遠寺といえば、なんといっても春の枝垂れ桜が有名。特に樹齢400年以上の「しだれ桜」は日本三大桜にも数えられるほどの存在感です。桜の時期は、境内がほんのりピンク色に染まって、まるで天上界に訪れたよう。荘厳な仏殿や山門と、枝垂れ桜の優美な調和は、カメラを持つ手がとまらなくなるほど。
早朝や夕暮れどきには、人の気配が静まり、風になびく桜の花びらとお堂の影が幻想的な世界を作り出します。法華経の教えとともに、春だけの贈り物を味わいに、ぜひ訪れたい場所です。
日蓮宗の聖地としての歴史
久遠寺は、日蓮聖人の入滅後その魂を祀りながら発展してきました。日蓮宗の総本山として、長い歴史の中で多くの僧侶や檀信徒が修行と祈りを捧げてきた場所です。法華経に基づいた祈りの習わしや、朝晩の勤行、大本堂での読経が今も受け継がれています。
また、久遠寺は度重なる災害や火災で何度も再建されてきた歴史があり、その度に日本中から寄進と協力が集まりました。その懐の深さ、信仰の力強さは、久遠寺の佇まいそのものに現れています。
法華経と身延山久遠寺――語り継がれる教え
法華経は「すべての人々が平等に救われる」という教え。日蓮聖人はその精神を具現化し、困難の中で人々に希望を授けました。久遠寺の本堂には、法華経を納める厨子が静かに置かれ、日々の読誦が絶えません。訪れるたびに感じるのは、法華経の力強さと、人の心の温かさです。
春の桜夏の深緑、秋の紅葉、冬の静寂――四季折々に法華経の世界観がこの寺院に満ち、その響きが人々の心を今も優しく包み込んでくれているのです。
こぼれ話：御朱印と身延山の伝説
久遠寺の御朱印は、法華経の名が記される美しい書体が人気です。特別御朱印や枝垂れ桜が描かれた季節限定の朱印もあり、御朱印帳をそっと開くたび旅の記憶がよみがえります。さらに、身延山には「夜桜の下で願いごとをすると成就する」「石段を止まらずに一気に登りきれば願いが叶う」など、地元ならではの伝説も語り継がれています。参拝後に、寺務所で住職や地元の方とこうした話を聞くのも醍醐味のひとつです。
アクセス情報
身延山久遠寺へは、JR身延線「身延駅」からバス（身延山行き）で約12分、「久遠寺入口」下車後、徒歩5分で総門へ到着します。車の場合は中部横断自動車道「下部温泉早川IC」より約20分。駐車場も数箇所整備されていて、枝垂れ桜の季節や法要の時期は混雑しますが、臨時バスや誘導スタッフもいるので初めてでも安心です。
身延山周辺のグルメ・おすすめ名所
身延山周辺でのグルメと言えば「湯葉料理」が名物。門前町には、もちもちの湯葉丼やコク深い湯葉刺しが楽しめる老舗食堂が点在します。また「身延まんじゅう」や和菓子屋のあんこ団子は参拝の合間の小腹満たしにぴったり。春の桜まつりや秋の紅葉シーズンには屋台も賑わいます。
歴史好きなら「日蓮聖人御廟」「奥之院思親閣」、自然派には身延山ロープウェイで登る絶景ポイントなどもおすすめです。門前街をゆっくり歩きながら、お土産探しや食べ歩きもどうぞ！
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